chikyuwatomodachi’s diary

地球はともだちのお話

バックパッカーの20代。~あなたの中にあるのは何色?~

白の隣に黒があり
黒の隣に黄色がある
その間にある色は何色だろうか?


この詩はわたしが美大の受験をしたときに出題された。

あの頃、この詩を読んでも受験の緊張感からか
意味がわからずにいた。

例年の出題内容が風景画だった。

しかし、この年は抽象画であった。

上手く表現できなかったことを今でも覚えている。


詩だけが頭に残り、それはアメリカ大陸を横断していた24歳の時に気づけた。

カナダから格安の往復バスチケットで深夜にアメリカへ渡る。
名もない町の一角に集合の通知があり
真っ暗いところに2台の大型バスが停まっている。

少しドキドキしながらバスに乗ると、暗がりの中に白い歯だけが浮き立つ。

そう、黒人コミュニティの利用するバスだった。

黄色人種はわたしたちだけ、台湾人の友人と旅に出た。

バスはトイレ付きの払い下げで、
おそらく以前は市内を走っていたとてもキレイとは言えない臭いが立ち込めていた。

モントリオールから出発し、ニューヨークのブルックリン橋を渡り市街へ入って行く。
行きのバスでは二人で対話していたが、帰りのバスでは台湾人の友人とは意見が合わず別行動となる。

国が変わると渡った瞬間に街の雰囲気が変わる。
パスポートのチェックがあり、新しいお客さんが
乗車してきた。

白人女性だ。

黒人ばかりが座っている座席の隣にスペースはいくつかあった。

しかし、誰もが荷物で邪魔したりして座らせてあげなかった。

戸惑う白人女性。

そんなやり取りを見ていて気づいた。

ああ、美大の出題は人種差別だ。

日本という国に日本人として生まれ、
これまでに感じたことの無い
肌の色の違いによる歴史的な差別。


尚根深く、今もまだニュースで報じられ
CORONA渦の中に鬱血した感情。

最初の詩にある間にある色とは
わたしたちの中に流れる血の赤だ。

流れる血の色はみんな同じで、国境を越えても変わらない。


起きていることは事実であり
これまでの連鎖を手放さなければ
繰り返してしまう。

それは、記憶の手放しだ。

歴史の中に続く民族同士の激しい哀しみを

今、解き放とう。

わたしの中に流れる血は赤だ。

あなたの中に流れる色は何色だろうか?