chikyuwatomodachi’s diary

地球はともだちのお話

年末年始の家出計画

毎年、年末年始をどう過ごすか?f:id:emikobo45:20200102054457j:plain


ここ20年ぐらいは
子どもたちを連れて実家に1週間ぐらい泊まって
ちょっと肥えて帰る。

しかし、今年からは事情が変わった。

それは、母親と私と孫の3世代同居が始まったからだ。

以前は孫が来ると嬉しくて、あれやこれやしてくれた祖母も毎日見る顔に飽きたのか、はたまた珍しく無くなったのか何とも素っ気ないのである。

実際、息子(中1)は年末から離婚した元夫の家に泊まりに行く。

そして、その姉は今年の夏から韓国留学をしているため、帰国はしない。

そう、母と私の二人っきり。
こんな年末はまず無かった。

思春期の息子と過保護な祖母の激しい言い合いを
目にしない静かな時間に突入するのだ。

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私は私で正直なところ、出かけたい。
ライブに行ったり、自由な過ごす時間のも
いいなぁ〜なんて思っている。

案外、二人になれば何となく過ぎてしまうんだろうがNetflixにハマる79歳は男はつらいよを4クール
ぐるぐると見ても飽きないらしい。

そんなこんなで、今モンモンと家出の計画を立てているのだ(笑)
年末の大掃除をしつつも、頭の中は妄想。

なぜ、脱出しようとしているのかには
訳がある。
と言うわけで尾崎豊の曲を思い出す。

「仲間たちは今夜、家出の計画をたてる〜
とにかくもう、学校や家には帰りたくない〜♪」

年が明ければ、元旦。

否が応でも、10人以上の身内大宴会ははじまる。

その日には兄兄弟が大学生になった子どもたちを
連れてやってくる。
そうなれば、女中の如く働かざるを得ない。

これが、末っ子女子の宿命だ。

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母との静かな時間を過ごしながら頭の中は
脱走中。
『にしても、なぜ二人きりの夜に耐えられないんだろうわたし。』


そうこうしているうちに、ある一本のメールが
私を救う。

『年末のお忙しい中、会いませんか?』

たまたま、美術館の仕事でおしゃべりした人。
新しい友人としよう。



対話をしたいと連絡をくれていたので、年末掃除の一時的休憩を決めて出かける。


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(古いカバンから出てきたメモは長い子育てから開放されていることのメッセージ)



頭の中で街を外れ、海に行ってみようと
決まる。

待ち合わせして、すぐにおしゃべりしながら
歩くと道端で農家の人が正月のお餅や野菜を売っていた。
それを購入しつつ、重い荷物を新しい友人はそれをサッと持ってくれた。

車を走らせる。

思ったより混んでいない道を通り抜け
湾岸線を走る。

車はどこか急ぎ足で、スピードをつけて進むと。

マリンパークに到着した。

今日は、中に入れないのか年末年始休業の貼り紙。


更に車を走らせると、たくさんのヨットが目につく
開放感いっぱいに車を下りると海の薫り

そこには日の光を浴びながら散歩する人や

ウィンドサーフィンを朝早くから楽しんだ人らが
着替えながら、楽しげに話している。

なんか、いい光景だ。


あゝ、海に来たかったんだ。

久しぶりに旅の気分に入り、貝殻に触れながら
幼い頃の事を思い出したり


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流木を集めた塔の周りで、遊びに来ていた幼い子たちとおしゃべり。

海岸沿いを踏みしめる砂の感覚。

途中、休憩で立ち寄った海の見えるホテルの
結婚式場のウェディングドレスが並んでいた。

隣の部屋のサッシから静かな光を受ける。
少しだけ、ここにコッソリ入って
ソファで寛いでみる。

日々の中に抜けていた私の時間を取り戻す。

『そうか、ルーティンを抜けたかったのだ。』


お昼頃〜夕方までの優雅なほんの数時間で
私の気持ちは切り替わる。

とても穏やかで豊かになったのだ。

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先程までの悶々とした時間を抜けたかった。
ただ、それだけの事。


再び車を走らせる。
道中おしゃべりしながら、
1時間もしないうちに、街へ戻ってきた。


大掃除の途中だった事を思い出し、100均ショップでホウキやゴム手袋を購入して。

新しい友人はさりげなく、育ちが良く紳士的で
女性をエスコートするのに慣れていた。


家に戻る。先程までの空気感はもう消えている。


庭先でご近所さんと立ち話をしている母に

「遅かったね?
一度戻って来たの?」

と聞かれ、何の事やら忘れていた。

大掃除の中、干した大きな絨毯をしまうことすら
忘れていた。

日常に戻ると、早々に夕飯の支度をはじめ
母と二人の夕飯だ。

冷蔵庫の中にある、有り合わせで鍋を作り
湯気のユラユラすら楽しい気分に変わっていた。

令和元年から二年へ。

ちょっとの切り替えで気分が変わる。

目に映る風景を切り替えるだけでいい。

そんな風に自分のコントロールはできる。

家出計画は成功だ。