chikyuwatomodachi’s diary

地球はともだちのお話

こどものSOS!に気づいて!

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4年前から昨年まで、講演会やイベントで話してきたことをブログにまとめてみる。

毎日流れるニュースには
こどものニュースが増えている。

あまりにも耳慣れして
ニュースの内容が耳に入らない。

実体験の声が今も鮮明に
こどもの声が耳に残ってる。

土曜講座は東京都教育委員会のプログラム。

私はゴミをゴミとしないアート
ecodecoKOBOの主宰者である。
地球はともだちプロジェクトをはじめたきっかけはここにある。


ある一人の少年が、新しく参加。
彼は前の学校ではとんでもない問題児だったらしく
女校長先生も心配そうに教室を覗きに来た。


「あの子ね、授業にならないらしくて。。。」


彼は小4で、既にレッテルを貼られていた。
紅葉する頃だったか、2学期の途中に
彼はやってきた。
どこか挑戦的な目をしているときもあったが
まだまだあどけない10歳の男の子だ。


ある時、どうしても3歳だった息子の預け先が
見つからず講座に連れて行った。

すると、真っ先に息子の世話をしてくれていた。
弟の様に可愛がってくれたし、慣れていた。

噂とは全く違う、彼のキラキラする
優しい瞳に触れたのだ。

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またある時、彼は私に寄りかかりこう言った。

「あ〜〜〜お腹空いた。」

朝ごはん食べてないの?と私。

「昨日から何も食べてないんだ。」


何とも力の出ないやるせない声だった。

彼の話によると、母子家庭でお母さんは時々
どこかに行ってしまう。
すぐに食べられるものが無かったようだった。

私はこう伝えた。
「お母さん、帰ってきたらコーンフレークと
牛乳だけは常に買ってもらうように話してみよう」


すると、彼は次の講座に来て報告してくれた。

「コーンフレーク買ってくれたよ!」

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それから数年がたち、たまたまスーパーで彼を見かける。学ランを着ていた。中学生になったのだ。

赤い買い物カゴを手にした彼はこちらを見ている。
  
中学生ぐらいは恥ずかしくて挨拶もしない子もいるが、彼は違った。

サッと会釈をして、レジの列に並んだ。
その仕草に心打たれた。

ああ!彼はちゃんと料理をして生活する力が
ついたんだ!


あの日。あの時。

彼の一言が私を動かした。


ご飯が食べられない事がどれだけ哀しいか。

お腹が空いていたら、集中力もわかない。

レッテルを貼られると本質さえ見えなくなる。


全国に広がるこども食堂はいろんな形がある。

今でこそ国が動きはじめたが

それを動かすまでにたくさんの人の手が

大きな石を全身で押して来た。


こどもは大人が育てるものなのか?

いや、こどもは出会った大人の影響により

自分で育っていく。

きっと、どこかで出会っている。

あなたのすぐ近くに

SOS!を出している子が。


朝のコンビニにお菓子を買い求める子。

学校に行かないで日中近所をうろつく子。

夕方鐘の時間を過ぎても出歩く子。

家になかなか帰りたがらない子。

夜のコンビニに入り浸る子。


ひと声かけるだけでいい。

または目が合うだけでも違う。

気づいてあげられる大人が1人でも増えれば

こどもは必ず変化する。

やがて彼らは大人になる。

それは、彼が教えてくれたこと。
私の記憶を呼び起こしてくれたこと。



私の幼き頃、まだ3年生頃だった
母は祖母の看病で田舎へ向かう。
幼い兄妹三人残され、長男を中心に夕飯を作ったりもした。

隣近所が温かい人が多く、芋の煮っころがしや
作ったおかずが届いたりもした。

そうやって、地域の大人たちに助けられて来た
あの日の夜はちっとも寂しくなかった。



いつか、彼らが大人になったとき
ひと声かけてくれた大人たちによって
助けられて来た事を思い出すだろう。

落ち葉拾いをしながら、あの日のことを
考える。まだ、できることがある。
やりたいことがある。

50歳の秋。
紅葉した並木道にただずむ。