chikyuwatomodachi’s diary

地球はともだちのお話

花盗人の伝説を

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台風一過、思ったより被害は少ないという反応もあったが、ふといつも通る道で
花壇の花たちが一斉におじきをしていた。

その通りは6年程前より地道な花咲かしをしている裏路地。
わたしが珍しく継続してやっていることのひとつだ。(幼い頃からあきっぽいと言われ続けて今です。ハイ。)

最初の頃は障害者施設の立ち上げに関わり、
事業のひとつとして花植えをはじめた。
施設の女の子はこの水やりを日課にし、楽しみにしていた。

町に花があるだけで、雰囲気が変わる。
この場所も陽当たりが少ない花壇に苔が蒸していた。

持ち主は『たましん』こと多摩信用金庫さん。当時の支店長に相談して、場所をお借りすることになった。

最初は土を耕し、雑草を抜き土を肥やすところからはじめた。

ご近所のお米屋のおばちゃんから米ぬかを分けてもらい、石灰を混ぜて寝かせる。
時には生ゴミを混ぜて寝かせる。

プランターでも充分、循環型の農園になることを体感するためにせっせと野菜の種を蒔いてみたりもした。

一緒に進めるはずの施設の運営は途中で
解散となり、花植えだけが残った。
利用者の子も楽しみにしていたこの場所、
止めることなく、ひとりでも続けている。

ご近所の花屋のおばちゃんに、安く譲ってもらった苗やいただいた種を蒔いていく。

今年はひまわりだ。
2ヵ所から分けてもらった。

ミュージシャンであり、教育者となった元ちゃんから、2011年南相馬市の被災地より育ててきた種。
もう一種類は船橋市の障害者施設から。

どんな花が咲くかはわかっているのに
芽が出るとワクワクするものだ。

今年はコロナ禍で静かなGW中に種を蒔いた。長雨で夏がなかなかやってこなかった2020年。
芽が出て来るのを心待ちにするトトロのめいちゃんさながらだ。

梅雨が終わった週にようやく🌱を出した。


今朝は元気に育った花たちの植え替えをする
つもりで向かった。

頭をもたげて垂れ下がった状態の花を一株ごとに抜いていく。

出社の方の一番乗りが7:30頃。
目が合ったのでご挨拶した。

何人か立て続けに、出勤の方々入っていく。

「いつもありがとうございます。」

今日はやけに皆さんの挨拶が続く
今まで、こんなことはあまりなかったのに。

すると、わざわざ中から支店長さんもご挨拶にいらした。

「暑い中の作業大変ですよね。タオル使って下さい。タオルしかないのですが。。。」

そして、作業してる後ろからお掃除を担当している女性が声をかけてくれた。

「前日はひまわりを切ってしまいごめんなさい。😣」

あぁ、そうだったのか。
お盆の頃、花壇の様子を見たときに、ひまわりの花がハサミで切られていた。
また、次に見たときはひまわりは抜かれていた。
花に種が宿ったら、来年用にするつもりだった。
たまたま、プランターの前で立ち尽くすわたしに声を掛けてくれた若い営業マンの姿があった。

彼はこの花について質問をしてくれて
保全に務めてくれた。

おそらく、社内の方に認知して共通認識されるところまで話してくれたことがわかる。

さて、声をかけてくれたお掃除担当の方は
いつもお花に水を撒いて下さる方だ。
年配のその女性が、わたしが水撒きできない間も変わって撒いてくださっている。

「わたしはこの花たちにいつも癒されているんですよ。」

その表情は明るく、とても良い笑顔をされていた。彼女は頭にウィッグをつけていた。
ファッションではなく、医療の関係からだろう。
日が刺して、綺麗な栗色と笑った笑顔が年齢よりも若く華やかな印象に見えた。


たった一輪の花を咲かせるのに、
ひとりの力ではない。

そこに居場所があり、プランターがある。
陽の光が光合成を促し
雨土の恵みを吸収し
種が成長するまでにはたくさんの根っこを
四方八方へと広げ養分を吸っていく。

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~笑顔の花咲かし~

小さな種がポトンとおちた

たったひとつぶ

大地に生み落とされる

誰に愛でられ

誰に声をかけられたのだろう


陽の光浴びて

やがて輝くとき

花は花として 生きていく


笑顔の花を咲かせましょう

あなたの心に宿る種を植えて

やがて広がる大地に還っていく

ほんの一瞬の未来を夢みて


笑顔の花咲かしを見つけたら

撒かれたところで咲きましょう

誰の手を渡り

誰が結んできたのか

風が運んでいく

未来を紡いでいく

笑顔の花咲かし

あなたの命